
40代でお笑い芸人を志し大ブレイクしたエド・はるみさん。その後、50代で慶應義塾大学大学院に入学し、現在は筑波大学大学院博士後期課程に在学中です。さらにトライアスロン完走や二科展入選など、年齢にとらわれず挑戦を続ける姿が注目を集めています。
そんなエドさんが、エッセイ集『今日がいちばん若いから 年齢を吹き飛ばす生き方』を発表しました。本書には、彼女が困難や不安に直面するたびに、自らを奮い立たせてきた心の支えとなる言葉や考え方が綴られています。
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今日はそんなエッセイの中から、吉本興業の養成所に入った頃のエピソードをご紹介します。エド・はるみさんは、年の離れた若者たちの中で、どんな思いを抱いてお笑いを学んでいたのでしょうか。
他者がどう思うかでなく自分が思ったことをする
当時の養成所は、JR品川駅から一つ目の西大井駅から徒歩5分の場所にありました。年季の入ったビルの一階は体育館のように広く、そこで東京校だけで5〜600人の生徒がクラスごとに分けられ、授業が行われました。
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みな一年後にはデビューしてTVや舞台で活躍したい若者ばかりです。約一時間ごとに変わる授業内容を行き来する若者たちの活気で、目まぐるしく毎日も過ぎて行きました。私もこれが最後の賭けなのだと見栄えなど気にせず、必死に食らいついていきました。まわりの同期からは「あのおばさん、必死やな」と映っていたと思います。それでも全く構いませんでした。人からどう見られるかよりも、自分があとで「あの時もっと死に物狂いで挑戦していたら」と、後悔する方が嫌でした。
そんな活気とエネルギーに満ちた空間で、私には一つだけ気になっていることがありました。それは校舎のトイレと階段の汚さでした。男女兼用のトイレの床には時折トイレットペーパーが散乱し、また、階段の隅にはホコリの塊が溜まっていました。それだけの人数が使い、行き交うのですから仕方ありません。けれど私には、「人は環境に左右され、環境で決まる」という持論がありました。
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どんなに素晴らしい才能を持った若者でも、汚い環境の中に居ては才能も花開きません。私はすぐに百円ショップで、簡易なほうきやちり取り、雑巾やゴム手袋などを買い込み、みんなが帰った後にひっそり一人で掃除することにしました。ついでに西大井の駅から歩いてくる道すがら、捨てられた空き缶や紙屑なども気になり、それらを拾いながら校舎に通うようにもなりました。きれいになった環境は、気分を本当に良くしてくれます。
そんな私の行動に「点数稼ぎ」と悪口を言う若者も居たようですが、全く気になりませんでした。なぜなら私は「汚いより、きれいな方が気分が良い。それだけのことだ」と思うからです。
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人にどう思われるかを気にして何もしないより、いいと思ったらその気持ちを信じて、「ただ動けば」いいだけのことです。
大切なことは、〈環境が整って〉いること。
今でも私は、“整理整頓”は運を開き、人に希望の光を灯すと信じています。

プロフィール
エド・はるみ……17歳で映画デビュー。明治大学文学部卒業後、劇団「円」の養成所を経て、約20年間女優として活動を続けるが、2005年に笑いの道に転じ、吉本興業の養成所の門を叩く。2008年に持ちネタの「グー!」で、数々の賞を受賞のほか、流行語大賞を受賞。長年の夢であった24時間マラソンランナーにも選ばれ、当時女性最長だった113kmを完走。2016年4月に慶應義塾大学大学院の修士課程に入学し2018年修了。2023年4月には筑波大学大学院の博士課程に合格して入学し在学中。現在、難関の博士号取得を目指し研究を続けている。
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※本記事はエド・はるみ著の書籍『今日がいちばん若いから 年齢を吹き飛ばす生き方』から一部抜粋・編集しました。
著=エド・はるみ/『今日がいちばん若いから 年齢を吹き飛ばす生き方』
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