
最近、輸入食材店やカフェなどで見かけるようになった、小さな粒状の食材「クスクス」。一見すると穀物や雑穀のように見えますが、実は世界中で親しまれている「世界最小のパスタ」なんです。
意外と調理も簡単、どんな料理にも合わせやすい万能食材クスクスについて、歴史や手軽な戻し方、そしておすすめレシピまで、詳しくご紹介します!
クスクスってどんな食材?小さな粒に秘められた歴史
クスクスがどんな食材なのか、まずはその特徴と背景を見ていきましょう。
正体はデュラム小麦でできた「パスタ」
ぽろぽろとした粒状のクスクスは、粟(あわ)や稗(ひえ)のような穀物に見えますが、その原料はスパゲッティなどと同じデュラム小麦粉です。デュラム小麦の粗挽粉(セモリナ粉)に水を加えて、直径1〜3mm程度の小さな粒に丸めて乾燥させたもので、その大きさから「世界最小のパスタ」と呼ばれています。
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日本ではまだ一般的ではないかもしれませんが、アメリカではパスタに分類されるのが一般的です。
UNESCOの無形文化遺産にも登録されている千年の歴史を持つ主食
クスクスは、モロッコやチュニジアなど北アフリカ(マグレブ地域)が発祥の地とされています。
その歴史は非常に古く、13世紀半ばにはアラビア語の料理本にレシピが記されていました。何千年も前から、この地域に住むベルベル人の主食として食べられてきた、なくてはならない存在です。

その後クスクスは、北アフリカからフランスを通じて、ギリシャやイタリア、スペインなどのヨーロッパ諸国、さらには南米や中東など、幅広い地域に広まりました。2020年には、クスクスの生産と消費に関する知識やノウハウが、UNESCOの無形文化遺産にも登録されています。
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「よく丸められたもの」が名前の由来
「クスクス」というかわいらしい響きの名前は、マグリブ・アラビア語の「クスクス(kusukusu)」が語源で、ベルベル語の「よく丸められたもの(seksu)」に由来すると言われています。また、この粒状の食材そのものを指すだけでなく、クスクスを使った料理のことも「クスクス」と呼びます。
クスクスの基本の戻し方:お湯を注いで蒸らすだけ
パスタというと茹でるイメージがありますが、乾燥された状態で売られているクスクスは、熱湯をかけて蒸らすだけで柔らかく戻すことができるのが大きな魅力です。手軽に準備できるので、日々の献立に取り入れやすい食材といえますね。
戻し方は商品によって異なりますが、ここでは一般的な方法をご紹介します。

クスクスの簡単な戻し方
1.耐熱ボウルにクスクスを入れる。
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2.クスクスの箱の表記に従い、熱湯、オリーブオイル、塩を入れて混ぜる。
3.ラップをかけて3分から10分ほど蒸らす。
4.ラップを外し、フォークなどで軽くほぐせば完成です。電子レンジを使って加熱して蒸す方法もあります。(製品のパッケージに記載された電子レンジでの調理方法に従ってください)
※クスクスは戻すと乾燥されたものの約2.2倍に膨れます。主食として食べるなら1人分50~80g程度、サラダや付け合わせなら30g程度を目安にしてください。
世界の食卓で愛されるクスクスの多様な食べ方
淡白な味わいのクスクスは、合わせるソースや具材を選ばず、非常に汎用性が高い食材です。温かい料理にも冷たい料理にも対応できる万能さも魅力です。
■煮込み料理と合わせる(北アフリカ流)
発祥地である北アフリカでは、クスクスを日常的に主食として食べています。伝統的な食べ方は、蒸したクスクスに肉や野菜の煮込み料理やスープをかけて食べるスタイルです。これは日本のカレーライスのようなイメージに近いかもしれません。
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専用の調理器具:モロッコやアルジェリアなどでは、「ケスカス(クスクシエール)」という二段式の専用鍋が存在します。下段で肉や野菜をスープで煮込みながら、その蒸気で上段のクスクスを蒸すことができる便利な構造になっています。
各地域の特徴:モロッコでは羊肉と野菜を使った豪華なクスクス、チュニジアでは「ハリッサ」という辛味調味料を使ったスパイシーなクスクスなど、地域ごとに独自の発展を遂げています。シチリアではムール貝やエビなどを使った魚介のスープをかけた魚介のクスクスが郷土料理として親しまれています。
■サラダとして楽しむ「タブレ」(フランス流)
フランスや中東では、煮込み料理に添えるだけでなく、タブレと呼ばれるサラダで親しまれています。タブレは、細かく切った野菜やハーブ(ミントなど)とクスクスを混ぜ合わせ、オリーブオイルやレモン汁、塩こしょうなどで和えるシンプルな料理です。フランスでは日常的に食べられており、国民食と言っても過言ではないほどのポピュラーなお惣菜です。
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プチッとした独特な食感を活かして、日本でもサラダのトッピングとして取り入れられることが増えています。

■その他、様々な活用法
クスクスは、スープの具材にしたり、炊き込みご飯のように調理したり、デザートに使ったりと、幅広く活用できます。全粒粉のクスクスを選べば、食物繊維も豊富にとることができます。
クスクスが手元にない時や糖質を抑えたい時は?家庭で作れるクスクス風レシピ2選

[LINK_TAB(https://www.lettuceclub.net/recipe/dish/34332/)]
ブロッコリーのクスクス風サラダ[/LINK_TAB]
ブロッコリーを刻んでクスクスに見立てる斬新なアイデアサラダ。栄養豊富なブロッコリーを丸ごと美味しく、新感覚で楽しめます。
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【材料・2人分】
ハム…2枚、ブロッコリー…1/2個 (約150g)、玉ねぎ…1/6個、
粒マスタードドレッシング
粒マスタード、オリーブ油 …各大さじ1、塩 …小さじ1/3
【作り方】
1.ブロッコリーはかたい部分をむき、芯ごと大きめの房に分ける。葉と茎も切る。直径25cmの耐熱皿に広げて水大さじ1をふり、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で約3分加熱する。ラップをはずし、粗熱がとれたら、5mm角に刻む。

大きく切ってレンジ加熱したあと、細かく刻む。
2.玉ねぎ、ハムは5mm四方に刻む。
3. 1 に粒マスタードドレッシングの材料を加えてよく混ぜ、なじんだら2を加えて混ぜる。
(1人分115kcal、塩分1.6g 調理/小田真規子 栄養計算/スタジオ食)
※電子レンジは600Wのものを基準としています。500Wなら1.2倍、700Wなら0.9倍の時間で加熱してください。また機種によって差がありますので、様子をみながら加熱してください。
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▶教えてくれた人 小田真規子先生

料理研究家・栄養士。1998年に独立し、様々な食のニーズに応える「スタジオナッツ」を設立。多くの雑誌にレシピを発表するほか、テレビ出演、レシピ本の出版、企業へのアドバイスやレシピ開発に携わる。広告用料理のフードコーディ―ネートの実績も多数。誰もが作りやすく、健康に配慮したおいしい家庭料理をモットーに活動の場を広げている。

[LINK_TAB(https://www.lettuceclub.net/recipe/dish/10443/)]
おからのスープ煮[/LINK_TAB]
スープのしみこんだおからがクスクスのようなレシピです。
【材料・2人分】
おから…100g、とりもも肉…1枚(約250g)、玉ねぎ…1/2個、にんじん…1/3本、ローリエ…1枚
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洋風スープ
・固形スープの素…1個
・湯…1と1/2カップ
白ワイン(または酒)…大さじ1
・塩、粗びき黒こしょう、オリーブ油
【作り方】
1.とり肉は一口大よりやや大きめに切って、塩小さじ1/2、こしょう少々をふってもみ込む。玉ねぎは縦薄切りにし、にんじんは4〜5cm長さのせん切りにする。
2.フライパンにオリーブ油大さじ1/2を熱し、とり肉の皮目を下にして入れて焼き、全体に焼き色がついたら取り出す。
3. 2 のフライパンをさっとふき、オリーブ油大さじ1/2を足して、玉ねぎとにんじんを入れて炒める。しんなりしたらおからを入れて炒め、全体に油がまわったら 2 を戻し入れ、ローリエを加えてスープとワインを注ぐ。軽く混ぜて煮立ったら弱火にし、ふたをして約10分煮る。塩、こしょうで味をととのえ、汁けがほとんどなくなるまで煮る。皿に盛り、こしょう適宜をふる。
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●好みでバゲットなどのパンを添えて、のせながら食べても。

とり肉を戻し入れたらスープを注いでじっくり煮て、おからに味をしみこませる。
(1人分396kcal、塩分2.5g 調理/藤井恵 栄養計算/スタジオ食)
▶教えてくれた人 藤井恵先生

料理研究家。大学在学中からテレビ番組の料理アシスタントを務める。大学卒業後、子育て期間を経てテレビのフードコーディネーターを担当。雑誌、書籍、新聞、イベントなど活動は多岐にわたる。
クスクスは、日本のお米のように食卓になくてはならない存在として、世界中で愛され続けてきました。ぜひ、今回ご紹介した戻し方やレシピを参考に、家庭の献立に「世界最小のパスタ」を取り入れてみてくださいね。
文=レタスクラブK 監修=齋藤久美子(栄養士)
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