
「気持ちを伝えても、なかなか聞き入れてくれない」
「親の他人への言動に、思わずドキッとしたことがある」
「子育てに説教モードで口出しをしてくる」
そんな両親の言動に、言葉にできない違和感を覚えたことがある──という人は、決して少なくないのではないでしょうか。
こうした親子関係の葛藤を描いたのが、人気コミックエッセイ『わたしの親が老害なんて』です。
本作では、周囲からは否定的に受け取られてしまうこともある両親を前に、「私はどう向き合えばいいの?」と悩む著者・栄子さんの姿が描かれています。
そこで今回は、20~60代の女性92人を対象に、両親との関係性や変化についてアンケート調査を実施。
大人になってからの親との距離感や、注意してもなかなか聞き入れてもらえなかったことでヒヤッとした体験について聞いてみました。
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「距離が近すぎる」と感じ始めた日常
両親との関係性に悩む栄子さんは、結婚後も実家のすぐそばに住んでいます。
結婚して30年。夫はまもなく定年退職を迎え、栄子さん自身は近くのスーパーでパート勤務。一人娘は昨年結婚し、現在は夫婦2人で暮らしています。
近くに住む両親とは頻繁に連絡を取り合い、週に2回は実家の買い出しや夕飯作りを手伝うなど、これまで非常に近しい関係を築いてきました。
お互い、困ったときにすぐ頼れる距離感は、長年当たり前のものだったといいます。

ところが、少しずつ栄子さんの中で別の感情へと変わっていきました。助け合っているはずなのに、どこか息苦しい…そんな違和感が、次第に心に残るようになっていったのです。
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「正直、遠くに住んでいる弟夫婦がうらやましいと思うこともある」
「自分の親なのに、煩わしいなんて思うのは薄情なのかもしれない…」
そう感じるたびに、栄子さんは自分を責めてしまうといいます。長女である以上、親を見守る立場なのではないか? そう考え、距離を置きたい気持ちにフタをしてきました。
調査結果!約5割の女性が親との関係性は近いと回答
実際に20~60代の女性92人に聞いたアンケートを実施しました。

Q.親との関係はどのような距離感ですか?
※ここでいう「距離感」とは、物理的な距離ではなく、会う頻度や連絡の多さなど、親との関わり方の近さを指します。
・近い(頻繁に会う・連絡を取り合う)・・・47%
・ほどよい距離感・・・・・・・・・・・・ 32%
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・必要な時だけ連絡する・・・・・・・・・ 16%
・関係が悪い / 距離を置いている・・・・・・4%
・その他・・・・・・・・・・・・・・・1%
約半数にあたる47%の人が、「親との関係は近い」と回答。
一方で、「関係が悪い」「距離を置いている」と答えた人も少数ながら存在しました。
一見すると、両親と良好な関係を築いている人が多いように見えます。
しかし、栄子さんのように親との関係に悩んでいる人も。
娘が小さいときは近くにいるのが心強かったのに…

娘が生まれたばかりのころは、両親の存在は心強いものでした。
しかし、娘の成長とともに自分なりの子育ての軸を持てるようになる一方で、両親からは、
「それは違う」「昔はこうだった」と、考えを否定するような言葉をかけられる場面が増えていきます。
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思いを伝えようとしても最後まで聞いてもらえず、話はいつの間にか“親の正論”にすり替えられてしまう…。そんなやりとりを繰り返すうちに、栄子さんの中に「煩わしさ」が積み重なっていきました。

両親の価値観は、栄子さんの娘であり、両親にとっては孫にあたる美咲さんにまで向けられるようになっていきます。
妊娠中の美咲さんに対して、髪の毛の色について指摘したり、「仕事は辞めないの?」「子どもがかわいそうじゃない?」「男に育休なんて必要ないだろう」そんな言葉をかけることもありました。


娘の考えを十分にくみ取らないまま投げかけられる意見に、栄子さんは「これは単なる価値観の違いとして受け止めるには、少し苦しいのかもしれない」と感じるようになっていきました。
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もはや自分ひとりの問題ではありません。
次の世代にまで、同じ言葉や考え方が向けられていく──。その現実を前に、栄子さんは改めて、両親との距離感について考えざるを得なくなったのでした。

外でも感じ始めた「変化」
誰にでも説教モードで話す父にヒヤリとする場面が増えていったそうです。

わざわざ訪ねてきた元教え子が転職を考えていると話すと、彼の状況も汲み取らず、
「最近の若者は打たれ弱い」「昔はもっと大変だった」とピシャリ。
“正しいことを教えてあげている”という前提で投げかけられる言葉は、受け取る側の考えや選択を否定されたように感じてしまうものでした。

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両親と一緒に訪れた飲食店で、父が店員さんに対して強い口調で不満を訴え、対応をめぐってトラブルになることもありました。警備員が呼ばれる場面もあったといいます。

その場では栄子さんが間に入り、謝罪することに。
警備員が呼ばれる事態になったことで、栄子さんは「これはもう、身内の問題として済ませてはいけないのかもしれない」と感じるように…。
一緒に外出することにも、両親だけで外出させることにも、次第に不安を感じるようになっていきました。
両親に感じた変化とは?
そこで、歳を取るにつれて両親に感じた変化についてアンケート調査を実施。
Q.年齢を重ねる中で、親にどんな変化を感じましたか?(複数回答可)
・頑固になった/人の話を聞かなくなった・・・34票
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・物忘れが増えた/同じ話を繰り返す・・・21票
・こだわりや偏見が強くなった・・・21票
・怒りっぽくなった・・・8票
・被害妄想・他人に攻撃的になった・・・8票
・身体的な老い・・・4票
・金銭感覚の変化・・・3票
・その他・・・4票
最も多かったのは「頑固になった/人の話を聞かなくなった」という回答でした。
多くの人が、栄子さんと同じように、親の変化に戸惑いを感じていることがうかがえます。
そこで、具体的な親の迷惑行動でヒヤッとしたエピソードを尋ねると、
・離乳食を始めたばかりの子に何でも食べさせてみようとするので注意したが「大丈夫よ!」と全く聞き入れてくれない。(30代後半)
・咀嚼が苦手な娘に「大丈夫でしょ!」と大きめの食パンを勝手に与えようとしたので、慌てて止めました。(30代前半)
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・仏のように優しかった父がちょっとしたことで怒るようになり、自分の主張を曲げず母と言い合いになっている。(30代後半)
といった声が。
マンガで描かれていた「話を聞いてもらえない」という状況は、決して珍しいものではないようです。
少し距離を取ることで、楽になる場合も
大人になってからも子どもを強く気にかけてしまう背景には、近所付き合いの減少などにより、家庭内の関係性が外から見えにくくなっていることも影響していると考えられます。
第三者の目が届きにくい環境では、親子の距離が近くなりすぎてしまうこともあります。
アンケートの中には、親との関係に悩んだ末、「少し距離を取ったことで気持ちが楽になった」と答えた人もいました。
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「親が変わったかも」と感じたときに考えたいこと
年齢を重ねることで、頑固さやこだわりが強くなり、周囲を困らせてしまう変化が起こる人は、決して少なくありません。けれど、「両親が老害なのかもしれない」という言葉だけで割り切れるほど、親子関係は単純なものではないでしょう。
栄子さんの葛藤は、特別な誰かの話ではなく、多くの人が心のどこかで感じている違和感を映し出しているようにも見えます。
親を大切に思う気持ちがあるからこそ、強い言葉に傷ついたり、話を聞いてもらえないことが苦しくなったりする…。
親との関係に正解はありません。だからこそ、自分や家族を守るための距離感を、無理のない形で考えていくことが大切なのかもしれません。
調査概要
調査方法:WEBアンケート調査
調査期間:2025年11月6日(木)〜11月11日(火)
調査対象:20代〜60代の既婚女性
対象者数:92人
文=ゆず
まだまだ手のかかる3人の子育てに奮闘中のママライターです。少しでも毎日をラクにする技を模索中!超ズボラ&不器用なママならではの視点で、話題のライフハックの方法と活用アイデアをお届けします。
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