
子どもは、身の回りにあるものや、世の中で起きているさまざまな事柄に対して「何でだろう?」と疑問を抱くものです。親が子に、この世の中をより深く知るための知識や知恵を伝えることは、昔も今も変わらず大切なことですよね。
そんなときに活用できるのが教養系雑学です。学校では教わらない、子どもが思わず「パパ、ママ、すご~い!」と言ってしまうおもしろ知識や生活の知恵をご紹介します。
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※本記事は多湖輝監修の書籍『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』から一部抜粋・編集しました。
服のズボンには「ずぼん」と足が入る!?
本でいう「ズボン」は、英語ではトラウザース(trousers)、米語ではパンツ(pants)またはスラックス(slacks)と呼ぶ。ズボンという呼び名は、どうも日本独自のもののようだ。
ズボンの語源は諸説あるが、たいていの辞書で挙げられているのが、フランス語で女性用下着を表す「ジュポン(Jupon)」である。
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さらにこの言葉をさかのぼっていくと、アラビア語の「ジュッパ(ゆったりした服)」に行き着く。
ジュポンは室町時代末期、ポルトガル経由で日本に持ち込まれ、のちに着物用の肌着の意味となり、「襦袢(じゅばん)」と当て字されるようになった。しかし、これだともともと下着の意味しかなかったジュポンが現在のズボンの意味に変わった理由ははっきりしない。
そこで登場するのが、フランス語語源説とは異なるもう一つの説である。
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こちらは単純明快だ。はくときに「ずぼん」と足が入るからズボン。明治時代の歌人で国文学者でもあった落合直文が大正元年(1912)に編さんした『言泉(ことばのいずみ)』にそれを裏付ける記述がある。「ずぼん、洋袴、幕末の頃、幕臣大久保誠知といふ人これを穿けば、ずぼんと言い初めたる語なりといふ」。冗談のような話だが、案外こちらが真相なのかもしれない。
現代のズボンが日本に入ってきたのは、幕末から明治にかけてのこと。西洋式軍服が導入されたのがきっかけで、それが官吏や学生の制服などに取り入れられ、次第に一般へと広まっていった。
監修=多湖輝/『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』
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